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動作確認
クロックの周波数が予定通り切り換っているか,切換え後のクロックは同期されているか確認したところ,予定通りクロックが切り換り同期されている事が確認できた(図7).
図7 クロック切換えと同期の確認 センサに照射する光源の明るさを極端に振ってみたところ,図8の通りとなった.上の信号は,High のときがプログラムの起動から終了(AFICとH8間のデータ転送含む)までの時間となっており,下の信号が END 信号である.
AFICセンサ部をほぼ完全に暗くすると41.3 ms かかり,END信号が出力されるまで時間がかかっていることがわかる.センサ部分を室内蛍光灯程度の明るさにしたときEND信号が出力されるまでの時間が 短くなっていおり,正常にセンサーが動作していることがわかる.また,END 信号の立下りから終了までの時間は,6.2 ms となっていてこれが AFIC から H8 にデータを転送する時間である.
図8 END信号取得のタイミング 最後にオートフォーカスの研究で利用しているしまパターンを試料面上に投影し,これをAFIC で検出した結果を図9に示す.
縦軸は AFIC の出力データで横軸は画素である. 今回はセンサアレイLのみにしまパターンが入るようにし,Rには適当な光が入っている.センサアレイLの出力結果として正弦波のような,しまの出力が観察 できた.AFIC の場合,最初に飽和した画素からのクロックカウント数が各画素ごとに出力されるので縦軸の 0 が明るく,255 が暗いことになり,正常に出力されていることがわかる.図9 しまパターン入力結果 -
注意事項
- AFIC の場合は,データ量が1ライン分なので外部 RAM は利用しない.よって CPU 動作 mode7 に設定する.この方が,通常の I/O ポートの使用に対する制限が少ない.
- LCD(SC160BS*B) の R/W を L(0V=GND) にしないと H8 からの表示(Write)が出来ない.
- LCD は,デバッグ以外で利用しない.初期化,表示等の LCD 動作が非常に時間がかかる.また,割込みのデバッグに利用すると予期しない動作をすることもある.
- デバッグには LED や オシロスコープを利用する.
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今後の予定
AFIC からのデータを取り込むことができたので,しまパターン投影方式自動焦点合わせ系での応答速度の測定,実際の顕微鏡での自動焦点合わせを実現したいと思います.
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参考文献
- H8/3048シリーズハードウェアマニュアル 第6版, (株)日立製作所
- H8/300HシリーズテクニカルQ&A 第2版, (株)日立製作所
- 秋月H8用Cコンパイラマニュアル,付属ドキュメント
- Interface2001年2月号(P.120~126), CMOSイメージセンサを用いた画像フィードバック系の構築, 金戸康広/川谷亮治
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謝辞
AFICセンサの提供,技術アドバイスをいただいた富士電機のご担当,H8のプログラミングでアドバイスをいただいた長岡技術科学大学機械系舟木先生,木村研究室(旧川谷研)の皆様に深謝いたします.